今回はこの『BeoPlay H9i』というヘッドホンの修理に挑戦してみます。
デンマークの老舗オーディオメーカー・Bang&Olfsenのオーバーイヤーヘッドホン、H9シリーズの二代目です。
お値段はジャンクで5000円ほど。
有線での音楽再生はできるが、電源が入らないというものです。
さて、届いたヘッドホンの状態を見ていきましょう。
多少の傷はありますが、イヤーパッドのほつれも無く、比較的綺麗な状態です。
全体的にグレー基調で統一されたデザインが美しいです。
右側の銀色の部分がタッチパッドになっていて、基本的な操作はタッチで行えるようです。
操作ボタン類は右側に全て集約されているようです。
右側のハウジングには電源スイッチ、USB-C充電端子、3.5mmの有線端子があります。
最悪治らなかったとしても有線で運用できるのはありがたいですね。
しかし、このヘッドホン、公式の画像と何かが違うような...?
左右でハウジングのロゴも違うし...
これはもしや?と思って調べると、なんとスーツケースメーカー・RIMOWAとのコラボモデルでした。
お値段なんと100,000円(定価)。
購入価格の20倍です。
コレは...なんとしてでも直したい...!
ひとまず落ち着いて、動作確認を行います。
まずはUSBケーブルを挿して充電してみます。
...本来ならば点灯するはずのLEDは沈黙したままです。
電源スイッチをいじっても無反応。
説明通りのジャンクヘッドホンですね。
では早速分解...の前に、この機種はバッテリーが脱着できるようなので取り外しておきましょう。
左のハウジングの銀色の部分を反時計回りに捻って、フタを取ります。
バッテリーは3.7V/770mAhです。SONYのWH-1000Xシリーズなどと比べると小さめの容量ですね。
もっとも、1000Xシリーズは所持していませんが...
これでバッテリーが取り外せたので、分解に進みましょう。
Bang&Olfusenのヘッドホンは、イヤーパッドが簡単に外れます。バッテリーカバーと同様、反時計回りに捻ってやるだけです。
と、ここであることに気がつきました。
バッテリーがGoogleで検索して出てくる画像と違う...
裏返してみると、画像と同じ印字があります。
まさか...バッテリーが逆向きに装着されていただけ...?
わずかな期待を胸に、画像と同じ向きにバッテリーを装着します。
が、やはりうんともすんとも言いません。
念のため、もう一度USBケーブルを接続してみます。
光った!!!!
わかってしまうと単純な理由でした。
コレは...巷で噂のジャンク詐欺?
早速聴いてみました。
一言で言うと、"高音ヘッドホン"です。
耳に刺さって不快に感じるほど強い高音です。解像度は高いのですが、低音が弱く、音に迫力がありません。
B&O専用アプリを入れて、イコライザをいじってみます。
低音を強めにすると、好みの音になりました。
安いヘッドホンでは聞こえなかった楽器の音までしっかりと聞こえてきます。
これはいいものだ...!
と思って数時間使用していたら、なんだか物足りなさを感じるようになってきました。
...いい音ではあるんだけど、バランスが良すぎるというか、特徴のない音というか...
最初に聴いた時の、衝撃的なまでの高音が脳裏を過ぎります。
気がついたらイコライザを高音寄りにしていました。
これだ!!!
このヘッドホンは高音を出してこそなんだ!
ただの慣れかもしれませんが、あれだけ違和感のあった高音にすっかり取り憑かれてしまいました。
デザインもカッコいいですし、音も綺麗。
大満足です。
買ってよかったジャンク品ランキング堂々の第1位です。
...なんてほくほくした気分で考えていましたが、"修理"なんて銘打っておきながら、実際にやったことといえばバッテリーを入れ直しただけ。
あれ...これってもしや...タイトル詐欺...!?
最後までお付き合いいただきありがとうございました。ではまた次回。