こんにちは、青葉みつです。
突然ですが、Apple製品って魅力的ですよね。
かじられたりんごが付いているだけなのに、なぜだか欲しくなってしまう魔力があります。
中でもMacは別格。特に『コンパクトマック』と呼ばれるMacintoshは人気が高く、オークション等では高値で取引されています。
そんなコンパクトマックですが、先日フリマアプリを徘徊していたところ良さげな個体が安価で出品されていたので、ついつい購入してしまいました。
それがこの『Macintosh SE/30』だ!
で、これはどうやって使うんですか?
つ、使う..?
このPCの発売は35年前。たとえ動いたとしてもワープロや計算機、ちょっとしたお絵描き程度にしか使えない骨董品ですよ?
つまり、置物(ガラクタ)ってこと!?
ぁぁぁ!!!ただでさえ狭い部屋がもっと狭くなる!!!
そこで今回は、この35年前のMacをどうにか現代でも使えるように改造していきたいと思います。
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Macintosh SE/30って?
Macintosh SE/30は、今(2024年)から35年前となる1989(平成元)年に発売されたAppleのPCです。
現在のiMacまで連綿と続くコンパクトな一体型PCで、マニアの間では人気のある機種のようです。
当時としてはとても高性能なPCだったそうで、その価格はなんと160万円超!*1(1ドル=150円として現代の価値に換算)。
160万円もするなら、さぞ素晴らしいスペックだったんだろうなぁ!
そんなMacintosh SE/30のスペックはこんな感じです。
・CPU モトローラ68030 16MHz
・メモリ 1MB(最大128MB)
・ハードディスク なしor40Mbor80MB
・ディスプレイ 9インチブラウン管(モノクロ)
メ、MHz(メガヘルツ)!?GHz(ギガヘルツ)の間違いじゃなくて?
しかも白黒ディスプレイって...お絵描きもまともにできないじゃん!
それが今ではスマホですらストレージ128GBは当たり前だし、4Kディスプレイ搭載機だってある。技術の進歩ってすごいなあ...
計画立案
Old Mac、特にMacintosh SE/30のようなコンパクトMacは数多くのMac愛好家の方々によって改造が施されており、調べてみると参考となるブログ記事も豊富。
先達の手法をなぞって改造するのも良いですが、せっかくなので自分なりのこだわりを持って改造を施したいと思います。
改造コンセプト1:なるべく加工しない
カッターやニッパーで削ったり、パテやプラ板で隙間を埋めたりする手もありますが、今回は"できるだけ加工しない"という方針で改造したいと思います。
PCデスクに置いて使いたいので、見た目は重要ですね。
フロッピーの挿入口をCD/DVD用に拡張したら便利そうだけど、オリジナルのデザインを活かしたいからそのままにするよ!
改造コンセプト2:なるべくオリジナルの外観を保つ
表面が湾曲したブラウン管に比べて液晶はフラットなので、そのまま置き換えるだけでは外観に違和感が出てしまいます。
なので今回は、ブラウン管の曲線美を活かした改造を行っていきたいと思います。
ちょっとだけ手間がかかるけどね!
材料・道具集め
改造にあたって、まずは必要な材料を揃えていきます。
まずはなんといっても改造のタネとなるMac本体。動作品を改造するのは勿体ないので、今回は基板が抜き取られたものを購入しました。
そして内部に組み込む液晶ディスプレイ。Macintosh SE/30のディスプレイは本来9インチですが、ブラウン管前面ガラスに収まるよう8インチのものを選択。
USB入力のものと迷ったけど、ドライバのインストールが必要だったからHDMI/VGA入力のものにしたよ!
本体の分解に必要なドライバー。T15で150mm以上の長さのものが良いようです。
金色の棒はガラスカッター。ブラウン管の加工に使います。
赤いボトルに入っているのはミシン油。ガラスカッター専用のオイルは高いので、これで代用します。
最後にブリーチ剤。急に髪を染めたくなったわけではなくて、筐体の黄ばみを落とすために使います。レトロPC系YouTuberさんが使用していたものと同一のものを選択しました。
数百円で購入できる市販の漂白剤でも良いらしいですが、Macintoshのロゴがはげてしまうとの情報を見かけたので念の為こちらを購入。
ブリーチ剤はジェル状だから、液体漂白剤よりも使い勝手が良くて一石二鳥だからね!
(後述しますが、これは失敗でした。真似される際はご注意ください)
これで道具が揃ったから、いよいよ改造していくよ!
分解するよ!
まずは背面にある4本のネジを外します。
上の2本は奥まった位置にあるので、軸の長いドライバーでないと届きません。
続いて、前面パネルを取り外します。
このためだけの専用ツール、"Macオープナー"なるものも販売されていますが、高額なのでここは腕力で外していきます。
この個体は分解歴があるためか、容易に外すことができました。
Macが2枚におろせましたね。
空っぽだ。
中身の抜き取られた個体を購入したので、基板類はありません。
ブラウン管も真空解除されているようなので、このまま取り外します。
4本のネジを外して、分解完了です。
ブラウン管はとても危険だから、分解の際には注意してね!
仮組みする
ブラウン管の加工に入る前に、一度仮組みして画面の写りを確認します。
ブラウン管が配置されていたところに液晶を置き、ホットボンドで固定します。
8インチなので隙間が出来てしまっていますが、仮組みなので問題なし。
ディスプレイのケーブル類は3.5インチベイの穴から挿入しておきます。
電源を入れて、MacBookと接続してみました。
案外良い感じかも?
一気に完成像が見えてきましたね。
当ブログを表示してみるとこんな感じ。
正面から撮った写真で見るとそれなりですが、実物は隙間だらけで不恰好です。
エミュレーターで古いmacOS(System7)を動かしてみました。
UIは現行のmacOSとほぼ同じです。
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漂白(Retr0Bright)-失敗編
続いて、経年劣化で黄色く変色してしまった筐体を漂白していきます。
最初に言っておくけど、ブリーチ剤を使ったのは失敗だったよ...
皆さんにはこちらのワイドハイターEXを使うことをおすすめします。
ブリーチ剤は1,500円以上するけど、ハイターなら安価だしね。
筐体にブリーチ剤を塗布し、ラップで包んで半日〜数日程度日光に晒します。
その結果が...こちら。
な、なんじゃこりゃあ!!!
全体的に黄ばみは取れているものの、ブリーチ剤の薄い部分がムラになってしまいました。
ハイターに漬けてある程度回復したものの、完全には取れずショックです...
ちなみに成功例はこんな感じ。
漂白前はこんなにも黄ばんでいたマウスが...?
驚きの白さ!
ブラウン管の加工
いよいよ本番とも言えるブラウン管の加工に入っていきます。
コンパクトマックを改造している先人の方々の記事を見てもブラウン管を加工している事例は少ないため、ここからは手探りです。
まずはブラウン管を養生します。破片が飛び散ると大変なことになるのでしっかりと。
怪我をしないように手袋をしたら、ガラスカッターでブラウン管に傷をつけてハンマーで割ります。
最初は思い切りが必要です!
電子銃部分が分離し、ある程度割れたらもう一度ガラスカッターで傷をつけ、今度は慎重にハンマーで叩きます。
このくらいまで割れたらOK。
表面の白い部分は蛍光塗料ですが、ティッシュ等で軽く拭くだけで簡単に取れます。
綺麗になった!
これでブラウン管の加工は終了...といきたいところですが、このままでは画面がぼやけてしまい、まともに見えません。
綺麗に見えるようにガラスを研磨したいところですが、あいにく手元に道具がないため続きはまた次回へ。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
次回もお楽しみに!