2024年6月11日追記
macOS 15 Sequoiaが発表され、対応機種は以下のようになりました。
Intel MacのOSアップデートも継続され、私のMacBook Pro(16-inch,2019)も対象に!
これから一年間は安心して使うことができそうです。
ありがとうApple!
※以下はWWDC24の開催前に書かれたものです。
こんにちは、青葉みつです。
開催が日本時間6月11日午前2時に迫ったWWDC24。
Apple Siliconへの移行が終了した2023年6月から丸一年経過したことで、Intel MacのOSアップデートが打ち切られるのではないかという予測も立っています。
そこで今回は、過去のCPU移行事例などと比較しつつサポート打ち切りについて予測してみたいと思います。
Intel MacBookユーザーとしては、まだまだサポートしてほしいっ!
- 現状
- PowerPC→Intelへの移行(2006年)
- Intel32bit→Intel64bitへの移行(2006年)
- Intel Macでの機能制限(2021〜現在)
- セキュリティーアップデートについて
- 2023年まで販売されていたMac Proはどうなるのか
- まとめ:リセールバリューが高いうちに乗り換えるのが良いかも
現状
まずは、現在までにリリースされているmacOSの状況を整理してみます。
Apple Siliconを初めてサポートしたmacOS 11 Big Surは、2020年のWWDCにて発表され、同年11月にリリースされています。
現時点で最新となるmacOSはmacOS Sonomaで、サポート対象のMacは以下の通り。
- iMac 2019以降
- iMac Pro 2017以降
- Mac mini 2018以降
- Mac Pro 2019以降
- Mac Studio 2022
- MacBook Air 2018以降
- MacBook Pro 2018以降
このうち、Intel CPUを搭載しているMacは以下の通りです。
- iMac 2019〜2020
- iMac Pro 2017
- Mac mini 2018〜2020
- Mac Pro 2019
- MacBook Air 2018〜2020
- MacBook Pro 2018〜2020
PowerPC→Intelへの移行(2006年)
AppleがMacに搭載するCPUを切り替えたのは今回が初めてではありません。
2020年のM1発表の14年前、2006にはIBM・MotorolaのPower PCから、Windows PCでは一般的だったIntel CPUへと移行しています。
その際、なんと移行元のPower PCのOSアップデートは次のバージョンですぐに打ち切られました。
搭載CPUとサポートOSの関係は下のようになっています。
OS/機種 | Power PC | Intel Mac |
---|---|---|
OSX 10.3 Panther(2003) | ○ | × |
OSX 10.4 Tiger(2005) | ○ | ○ |
OSX 10.5 Leopard(2007) | ○ | ○ |
OSX 10.6 Snow Leopard(2009) | × | ○ |
以上のように、Power PC搭載機のOSアップデートはIntelへの移行が始まった次のバージョンまでで打ち切りとなっています。
この頃は現在のようにOSアップデートが毎年必ず行われていたわけではなく、またOS自体も有料であったため単純に比較することはできませんが、Intel MacにはApple SIliconへの移行が始まってからも既に3度のアップデートが提供されているため、Intel Mac→Apple Siliconの移行ではPower PC→Intelの移行時よりもOSアップデートが長期間サポートされていることになりますね。
2006年当時とはMacユーザーの数が違うからね。
Intel32bit→Intel64bitへの移行(2006年)
CPUをPower PCからIntelへ切り替えた後も、もう一つの移行作業が残っていました。
それが32bitから64bitへの移行です。
2006年初頭に発売されたMacに搭載されていたCPUはIntel Core Duo/Solo。
つまり、32bit CPUでした。
搭載CPUとサポートOSの関係は下のようになっています。
OS/CPU | 32bit | 64bit |
---|---|---|
〜OSX 10.6 Snow Leopard(2009) | ○ | × |
OSX 10.7 Lion(2011) | × | ○ |
OSX 10.8 Mountain Lion(2012) | × | ○ |
2006年に発売されたCore Duo/Solo搭載機たちは、5年後のMountain Lionではサポートを打ち切られてしまいました。
ですが、32bit CPU搭載Macたちの運命はそこまで悲惨なものではありませんでした。
32bitのIntel Core Duoを搭載したMacBook(Early 2006)と、64bitのIntel Core 2 Duoを搭載したMacBook(Early 2008)を比較してみると以下のようになります。
OS/機種 | Early 2006 | Early 2008 |
---|---|---|
OSX 10.4 Tiger(2005) | ○ | × |
OSX 10.5 Leopard(2007) | ○ | ○ |
OSX 10.6 Snow Leopard(2009) | ○ | ○ |
OSX 10.7 Lion(2011) | × |
○ |
OSX 10.8 Mountain Lion(2012) | × | × |
両機種とも動作可能なOSは3つと数こそ同じですが、最新OSへのアップデートがサポートされた期間は5年対4年と、64bit CPUを搭載し発売も2年遅いEarly 2008の方が不遇な結果となっています。
歴代最短のアップデート回数を記録したのがこのMacBook(Early 2008)なんだ。
Intel Macでの機能制限(2021〜現在)
2021年のmacOS 12 Monterey以降、AppleはIntel Macで一部の機能を利用できなくする制限を設けてきました。
最新のmacOS 14 Sonomaでも以下がApple Silicon搭載機種限定の機能となっています。
- プレゼンターオーバーレイ
- リアクション(Intel MacではiPhone接続時のみ利用可能)
- ハイパフォーマンスモード(画面共有アプリ)
- ゲームモード
セキュリティーアップデートについて
このように、現在でもIntel Macでは使えない機能が多数存在することから、仮にメジャーアップデートが提供されても恩恵はあまりないかもしれません。
ですが、仮にメジャーアップデートが打ち切られても、セキュリティーアップデートがされ続ける限り安全に利用することはできます。
では、そのセキュリティーアップデートはいつまで続けられるのでしょうか。
Power PC→Intelへの移行の際は、最後のPower PCサポートOSとなったOS X 10.5 Leopardのセキュリティーアップデートがリリースから4年後の2011年まで行われました。
Intel32→Intel64への移行の際は同じくOS X 10.7 Lionが3年後の2014年までアップデートされています。
最近でも、32bitアプリの起動をサポートする最後のOSであるmacOS 10.15 Catalinaや、初めてApple Siloconに対応したmacOS 11 Big Surのセキュリティーアップデートが3年間は続けられていることから、仮に今年のmacOS 15がIntel Mac非対応となったとしても、あと2年間は安心して利用することができそうです。
2023年まで販売されていたMac Proはどうなるのか
整備済み品等を除き、大多数のIntel Macは2021年頃までに販売終了していますが、iMac 27インチモデルは2022年まで、Mac mini (2018)およびMac Pro (2019)に関してはなんと2023年まで販売が継続されていました。
Mac mini(2018)に関しては搭載CPUが第八世代Coreと古く、それほど高価でもないため問題はなさそうですが、100万円以上もしたMac Pro(2019)を販売終了から1年でOSアップデート対象から外すとなれば、Appleへの批判は避けられないでしょう。
私がMac Proユーザーだったら泣いちゃう。
なので、Mac Pro(2019)に関しては何らかの形でアップデートが継続されるのではないかと思います。
例えば、2019年まで約6年間販売され続けていたMac Pro(2013、通称ゴミ箱)は2019年の販売終了後も2回(Big Sur、Monterey)のアップデートを受けていますし。
まとめ:リセールバリューが高いうちに乗り換えるのが良いかも
WWDC24で発表されるmacOS 15がIntel Macをサポートするか否かにかかわらず、Intel Macをまともに使えるのはあと1~2年といったところでしょう。
これまでであれば非対応のMacに最新OSをインストールするPatcherが開発されていましたが、IntelとApple Siliconではアーキテクチャが違うので、そのようなツールにも期待できません。
どうせ乗り換えなければならないのであれば、まだまだリセールバリューが高いうちにさっさと乗り換えてしまうのも手かもしれませんね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ではまた次回!
参考文献:
Intel Macに対するmacOSサポート、早ければ2024年に終了する可能性 - iPhone Mania
「インテルMacを買った人」に訪れる最悪シナリオ | AppBank
OS X Mountain Lion - Wikipedia
「ゴミ箱」 と揶揄された旧型Mac Proが販売終了。Mac Pro (2019) の登場とともに姿を消す | corriente.jp